犯人は誰だ?

犯人は誰だ?

職員室にいると、 女生徒、「先生、トイレが使えません」 私、「あー、ごめん」 教員の私が生徒に謝ったのは、学校のトイレは隠し撮りのカメラを設置されないよう、トイレの入り口にドアを設置し鍵を掛けるようになっているから。 職員室の金庫から、トイレの鍵を取り出すと 女生徒、「メッチャ、鍵があるじゃん」 学校には多くの鍵があり、1つ1つの鍵に名前札が付いている。 女生徒、「このカギで、全てのトイレのドアが開くの?」 私、「そうだよ」 女生徒、「だったら、先生なら、トイレに隠し撮りのカメラを設置できちゃうじゃない」 私、「そうだね」 女生徒、「・・・」 私、「僕は、そんなことしないよ」 女生徒、「・・・」 トイレに行くと、女子トイレの前には女生徒が沢山いたのだが、男子トイレはガラガラ。 男子トイレは、隠し撮りのカメラが設置されることはないため、そもそもトイレの入り口に扉は付いてない。 学校が夏休みに入った某日、緊急の教職員会議が行われたのは、女生徒が使うトイレの扉を開けるカギだけ紛失したから。 教頭先生、「カギに心当たりはありませんか?」 すると、他の先生が一斉に私のことを見た。 私、「わ、私は知りませんよ」 動揺したのは、他の先生から疑われたから。 同年代の教員、「本当に知らないの?」 私、「知らないよ」 職員室の金庫は、ダイヤルを回さなくても開けられるようになっており、盗もうと思えば誰だって盗める。 女性の教員、「廊下を映す防犯カメラの映像を確認すれば良いじゃないですか?」 教頭先生、「確認はしたけど、教職員以外は映ってないんだ」 質問をした女性の教員、「ていうことは、教職員の中に犯人がいるってこと?」 鍵が無ければ、女生徒がトイレを使えないため、鍵屋さんに来てもらった。 鍵屋さんによると、沢山の鍵を扱う学校からの依頼は少なくないとのこと。 また、鍵を使って女子トイレに侵入するケースは少ないらしく、トイレの鍵穴にイタズラをして、鍵を掛けられないようにするケースが多いらしい。 紛失した女子トイレの鍵は今も見付かっておらず、また、職員室の金庫から誰が盗んだかも分かっておらず、唯一分かっているのは、同僚の中に犯人がいるということだけ。

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