教員のミスはシャレにならない
今年から、母校で教員をしている。 母校に戻ったのは、部活の指導をするため。 全国大会に繋がる予選の前日、部員(学生)に元気がないのは試合のプレッシャー。 私が学生だった時も、プレッシャーで眠れないことがあった。 教員になると、そのプレッシャーがないため気が楽。 私、「試合の勝ち負けは実力で決まるけど、忘れ物だけはするなよ」 部員、「・・・」 私、「返事は?」 部員、「・・・、はい」 プレッシャーで試合当日、忘れ物をしたことがある私は、前日までに試合の用意をさせ、それを部室で保管しておくことにした。 私、「忘れ物はないか?」 部員、「はい」 私、「明日は遅刻するなよ」 部員、「はい」 試合会場まではスクールバスで行くため、試合当日は学校に集合。 試合当日でも、朝食が取れたのは、教員の私はプレッシャーがないから。 親、「先生の貴方が遅刻したらダメよ」 私、「分かってるよ」 先生になっても、親には子供扱いされる。 教員の私が遅刻したら、部室に保管してある部員の荷物は取り出せないため、集合時間より早目に学校に着けるよう、家を早く出ることにした。 親、「忘れ物はない?」 私、「僕が試合に出るわけではないから、忘れ物なんて無いよ」 学校に着くと、部員達は既に集まっていた。 部員、「先生、遅いよ」 私、「集合時間はまだだろ?」 部員、「先生が来ないと部室に入れないじゃない」 私、「部室ならマネジャーに開けてもらえば良いじゃない」 部員、「何を言ってるんですか?部室の鍵は俺が預かるって、昨日、先生、言ってたじゃない」 私、「・・・」 返事が出来なかったのは、部室の鍵を家に忘れてきてしまったから。 立場上、生徒に鍵を忘れたとは言えないため、部員達だけ試合会場へ先に行かせた。 一刻も早く、部室を開けなくてはならない私は、部室の鍵を持って来てもらおうと実家に電話。 実家から学校までは車で40分掛かり、それから試合会場へ行くと時間がギリギリのため、部室を開けてもらうために鍵屋さんにも来てもらうことにした。 先に学校に着いたのは鍵屋さん。 私、「時間が無いので早く開けて下さい」 鍵屋さんが、鍵穴に特殊工具を差し込むと、1分もしないうちに部室の鍵を開けてくれた。 部員の荷物を車に積み、試合会場に向かっている途中、親から学校に着いたとの連絡が入った。 シマッた!親に、鍵はもう要らない、と言うのを忘れていた。 鍵屋さんのお陰で試合には間に合ったが、試合は惨敗。