鍵屋さん、アザッす
合鍵を作ってもらうために、鍵屋さんに来てもらったのだが 鍵屋さん、「このバイク、君の?」 私、「はい」 鍵屋さん、「自分のものと証明出来るものはある?」 そんなものはない、なぜなら、バイクは先輩から譲ってもらったばかりだから。 鍵屋さん、「君のものと証明が出来ないと、合鍵は作れないよ」 困ったのは私だけではない。 鍵屋さんも私がいるところまで、深夜にわざわざ来てくれたのだから。 鍵屋さん、「このバイク、〇〇年式?」 私、「年式までは分かりません」 鍵屋さん、「このバイク、ブレーキの効きが悪いでしょ?」 私、「このバイクしか乗ったことがないため、分かりません」 鍵屋さん、「先輩から幾らで譲ってもらったの?」 私、「50万円です」 鍵屋さん、「高っ!新車と変わらないじゃない?」 私、「旧車ブームで高くなってるんです」 鍵屋さん、「これと同じバイクに乗ってたけど、売る時は買い叩かれたな(笑)」 私、「鍵屋さんもバイクに乗ってたんですか?」 鍵屋さん、「昔ね」 明け方、鍵屋さんが戻って来ると、合鍵を作ってくれたのは、鍵屋さんが私にバイクを譲った先輩に、譲った証明をしてきてくれたから。 合鍵ができると 鍵屋さん、「エンジンを掛けても良い?」 私、「はい」 鍵屋さん、「乗ってみて良い?」 鍵屋さんがお客のバイクに乗ることは本来は無いのだろうが、鍵屋さんが私のバイクを運転したのは、私にバイクを譲った先輩から聞いたバイクの特性を判断するため。 鍵屋さん、「先輩が言ってた通り、このバイク、クラッチが硬いね」