ウィルスの悪影響はカギにも及ぶ

ウィルスの悪影響はカギにも及ぶ

悪いウィルスが流行すると、私は潔癖性になってしまった。 コンビニ等で買い物をした場合、買ったモノを除菌ペーパーで拭き、そして、手洗いとウガイをしてからでないと口に出来ない。 「潔癖性だと生活がシンドイだろ」と良く言われるが、潔癖性にとっては除菌しないで口にするほうが、よほどシンドイ。 私が住んでいるのは、最寄り駅から徒歩すぐの賃貸アパート。 マンションに比べ、アパートのセキュリティは緩く、ポストには色んなチラシが入れられる。 チラシを入れたのが、どんな人か分からないと、読む気にはならない。 アパートの死角で、チラシをポスティングした人が用を足しているのを見てからは、ポストに「チラシを入れるな」と張り紙をしてある。 潔癖性の私は、自分の部屋のドアノブでも触ることに抵抗がある。 私がこのアパートに決めたのは、アパートには珍しく玄関ドアが引き戸だったから。 開き戸と違い、引き戸の場合は足で開けられる。 引っ越して来た時は、足で開けられていたのだが、長年住んでいると足で開け辛くなったため、潔癖性の私は、鍵穴に差し込んだままのカギを取っ手代わりにして、玄関ドアを開けるようになった。 一旦、引き戸が動き出せば、あとは足を使って動かせる。 これを半年ほど続けていたら、カギが根本でポキっと折れてしまった。 実家と違い、賃貸アパートには工具の類が何もなく、鍵穴に残ったカギが抜けない。 試行錯誤していたら、 隣の部屋の住人、「ガチャガチャ、うるさい!」 私、「スイマセン」 近所に迷惑を掛けられないため、鍵屋さんに来てもらった。 鍵屋さんがガチャガチャと作業をしていても、鍵屋さんには誰も文句は言わない。 スペアキーを作る際、甲高い機械音がしたのだが、鍵屋さんの車だと分かると誰も文句は言わない。 鍵屋さん、「カギを取っ手代わりにした?」 私、「分かりますか?」 鍵屋さん、「悪いウィルスが流行してからは、取っ手代わりにしたカギを折ってしまう人が増えたんだよ」

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