ゴミ出しは、鍵を持って行こう。
この話は、2歳の子供がいるお隣さんの家で実際にあった事です。
ある気持ちよく晴れた朝。前のゴミ出しの日が休みと被り、どの家庭もゴミ袋が2つ以上出す為に、家と目の前のゴミ捨て場を往復していた時に事件は起こりました。
家の中にいた私は、隣の奥さんの
【A美ちゃーん!開けて!!】
の声に驚き、外に出ました。
【どうしたんですか?】
【A美に中から、鍵をかけられてしまって…B子が…】
と泣きそうになっていました。
B子ちゃんは5ヶ月になったばかりの妹で、最近寝返りを出来るようになったらしいのですが、まだ、寝返り返りが出来ず、下手に寝返りをして、窒息をしたら大変です。
急いで、家に戻り娘を見ていた主人に事情を話して、隣のご主人のLINEに連絡をしてもらい、私はまた隣の家へ。
玄関の横にあるすりガラスから見ると幸い、A美ちゃんは玄関のドアの所に居て、泣いています。
【マーマー】
ただ、まだ、ちゃんと言葉を理解するには難しい年頃の子に、自分が閉めた鍵を開けてもらうのは至難の業です。
【マーマーどーこぉー】
泣き声は益々大きくなります。奥さんはドアを叩きながら
【ママここにいるよ】
と言っていましたが、
【マーマー】
A美ちゃんは多分自分の声で、ママの声が聞こえていません。
【C男さん、30分ぐらい戻るのにかかるって!】
LINEで連絡が取れた主人が言いに来た時、B子ちゃんの泣き声がします。
【どうしよう…】
奥さんも泣きそうになっていました。
しかし、B子ちゃんの声に驚いたA美ちゃんが今度は泣き止みました。その時に主人が軽くドアをノックしました。
コンコン
【はぁーい】
A美ちゃんの声がします。
【おはよう、A美ちゃん。ドアの下の黒い部分持てるかな?】
隣の家の玄関は上と下に1つずつ鍵があり、A美ちゃんは自分の背でも届く下の部分を閉めてしまいました。
【うん】
主人の声には反応しています。
【持てたかな?】
【うん】
【そしたら、それを動く方に動かしてみて】
【うん】
ガチャ!
奥さんが
【やった!】
と言った瞬間
ガチャ!
とまた、閉めてしまいました。
【…A美ちゃん。1回だけ動かしてみようか。】
【うん】
ガチャ。
すかさず、ドアを開ける奥さん。
B子ちゃんはやはり寝返りをしてしまっていました。
A美ちゃんはキョトン顔。
【よく頑張ったね!偉いよ。】
私と主人はA美ちゃんを褒めました。
この事から、私の家でも同じ年の娘がいるので、ドアから1歩でも出る時は鍵を持つようにしました。