変わるキッカケになった鍵交換
16歳でグレ始めた私は、17歳で家を飛び出した。
家を出て気付いたことは、世の中は甘くないということ。
家を飛び出した理由はバイクに乗ることを反対されたから、家を出た私はバイクに掛けるお金を稼ぐためにアルバイトを掛け持ちした。
しかし、生活するのがやっと、稼いだお金は生活費に消え、バイクを乗る余裕は無かった。
そんな頃に知り合った女と同棲を始めると子供を授かった、嬉しい反面、育てられるか心配。
出産するとなると思ってた以上にお金が必要、身重な彼女は働けない、私だってこれ以上働くことは無理だ。
3年ぶりに実家に戻ると誰もいない、お金を盗むチャンスだった。
しかし、玄関のカギは開いていない、悪知恵が働く私はネットで調べた鍵屋に連絡をするとスグに来てくれた。
鍵屋、「この家の方ですか?」
私、「はい」
鍵屋、「証明できるものはありますか?」
私、「はい」
鍵屋のお陰で実家に入ることが出来た、お金がある場所は分かっている、昔と同じなら。
見付けたぞ、お金が入っていると思われる茶封筒、お金を盗む際に仏壇に手を合わせるのは昔と同じ、茶封筒の中には10万円が入っていた。
お金だけ取り出し、茶封筒は元の場所に戻そうとすると茶封筒に違和感、茶封筒には手紙が入っていた私宛ての。
手紙には「元気にしているか?いつでも帰って来い」とだけ書いてあった。
茶封筒にあった10万円から鍵屋さんに支払いをしたのだが、残りのお金は元の場所に戻した。
彼女が無事に出産出来たのは私の両親が付き添ってくれたから、現在は実家に戻り両親と妻、赤ちゃんの5人で暮らしている。